TOPページ > > 薬局薬剤師の活躍拡大
分業の進展で活躍の場は拡大~薬局薬剤師
ここ数年、薬学部・薬科大学が異常ともいえる勢いで新設され続け、これまで年間7000~8000人程度であった薬学部の卒業生が、ついに1万3000人に達するほどに増加しました。これほど短期間に爆発的に増えてしまうと、いくら薬剤師免許が国家資格であり、調剤は薬剤師の専権事項だといっても、薬剤師がちまたにあふれ、就職難民がでてくるのでは、といったことを危惧する声がささやかれるようになりました。
実際、厚生労働省が出した推計でも、将来的に薬剤師は、供給が需要を上回るとの計算がでています。しかし、薬学部の学生がここ数年で非常に増えてきたとはいえ、すぐさまそれが就職難につながる、ともいえないかと思います。
その理由のひとつは、先ほどから出てきている医薬分業です。医薬分業率は現在、60%程度で、これは、全国の医療機関から発行されるすべての処方せんのうち、6割程度が院外に発行され、保険薬局で調剤されているということを意味しています。医薬分業率は、様々な理由から100%になることは難しいといわれていますが、100%に近づくまで、まだまだ上がることが予想されます。
すると、その分だけ、つまり外に発行される処方せんの分だけ、それを調剤する保険薬局の薬剤師が必要になるのです。また一人の薬剤師が1日に調剤してもよい処方せんの枚数は決まっており、それも考えると、薬局経営者はつねにゆとりを持って薬剤師を配置しようと考えます。
さらに高齢化の進展から、国策として在宅医療が推し進められています。薬剤師による在宅医療への関わりとして代表的なのは、“訪問薬剤管理指導(介護保険では居宅療養管理指導)”です。これは、身体の不自由な患者さんのお宅に行って、直接薬を管理してあげ、服薬説明をしつつ、きちんと薬を飲んでいるかを確認してあげることです。高齢化の進展から、あらゆる医療職種が在宅医療への関わりを求められている中、薬剤師も積極的に患者宅を訪問することが、ますます強く求められていくでしょう。
以上のような理由から、保険薬局の薬剤師の就職は、まだ当分は、売り手市場とみることができるかと思います。