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◆地域の健康をサポート~保険薬局の薬剤師
地域の薬局から薬をもらうのが当たり前、という時代がやってきたことは前章でお話しました。それでは地域の保険薬局の薬剤師の仕事とはいったいどんなものなのでしょうか?
保険薬局に限らず、薬剤師の役割は、医薬品の供給を通して地域住民の健康に貢献することです。保険薬局では、調剤した医薬品および一般用医薬品の両方を、提供する役割を担っています。
処方せんに基づいた調剤では、処方せんに書かれていることでおかしいことはないか。その患者さんに適した薬が、適した用法、用量で使われているか。薬の専門家の立場から、処方せんを“監査”し、必要に応じて処方した医師に“疑義照会”します。
処方せんを監査した後は、薬を調剤し、患者さんへ“服薬指導”し、そして服薬指導でのやりとりなどを交え、“薬歴簿”に記録をつけて、一連の業務は終了となります。調剤については、すでに説明しましたが、その後、直接患者さんに薬の説明をする服薬指導、また薬歴簿の作成も、非需要に重要です。
服薬指導について説明すると、調剤した薬について、正しい使い方を患者さんに説明し、同時に患者さんのアレルギー歴、ほかに飲んでいる薬がないかなどをチェック。もしもほかに飲んでいる薬があれば、相互作用や禁忌にあたらないかを確認します。
またこの際に、患者さんが薬に関して不安に思っていること、また医師には聞けなかったけれど、疑問に思っていることなどを聞いて、相談に乗り、必要な情報は、処方医にフィードバックすることも重要です。実際に薬剤師として活躍している人たちに聞くと、患者さんは「お医者さんには聞きそびれたんだけど・・・」といって、様々な疑問や不安点、その他いろいろな雑談をしてくることは、とても多いそうです。医師の前では遠慮して言えないことが、薬剤師の前だと気兼ねなく話すことができるのかもしれません。
実はこういったことも、医薬分業のねらいの1つといえるでしょう。1人の患者さんを、異なる専門家がそれぞれの立場から観察し、治療に導く。それによって、より安全で有効な薬物治療ができることは、間違いありません。医薬分業は、広い意味でのチーム医療といってもいいかもしれませんね。